ジェンダー統計に関する調査研究
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概要
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ジェンダー統計の必要性に対する認識は、北京行動綱領等国際的文書に盛り込まれ、UNECE(国連ヨーロッパ経済委員会)や各国における先進的な取り組みも急速に展開しつつある。日本は先進国の中ではジェンダー統計に関して遅れ気味であったが、特に2002年から2003年にかけて注目すべき大きな進展がみられ、ジェンダー統計に関しては一つの画期をなしたといえよう。男女共同参画会議苦情処理・監視専門調査会は、2002年度後半からの主要なテーマとして「男女共同参画にかかわる情報の収集・整備・提供」の実施状況の監視をとりあげ、報告書がまとめられた。統計行政においても、「各府省統計主管部局長等会議」の『統計行政の新たな展開方向』においてジェンダー統計がとりあげられた。研究分野では、経済統計学会に「ジェンダー統計研究部会」が設置されジェンダー統計セッションが恒常的に組織されるようになり、ジェンダー統計関連の文献集も作成された。NWECにおいては、2001年から「ジェンダー統計調査研究会」が設置された。本稿は、国立女性教育会館(NWEC)におけるジェンダー統計に関する調査研究の成果である「ジェンダー統計出版物の作成・発行」「ジェンダー統計データベースの改善方針書」を中心に、国際的なジェンダー統計の到達点を視野にいれながら、これらの意義を明らかにする。また、上記のような日本におけるジェンダー統計の動向との関連からNWECにおける調査研究活動を位置づけるとともに課題を提起する。今後UNECEウェッブサイトや諸機関のジェンダー統計推進活動とのリンクや、統計行政におけるジェンダー統計のメインストリーミング化との関連、これらを通してアジアを含む国際的連携の中で日本がどう貢献していくかも課題である。
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