高松平野の完新世化石とその古環境解析II--特に貝化石群集とその14C年代--
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概要
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(1) 香川県高松平野の臨海部地下3ヶ所の露頭より完新世の化石を採集し, 特に貝類群集に基づいた古環境解析(古水深および水平的分布の分析)と14C年代測定を行った。 (2) 高松市浜ノ町のJR高松駅地下道工事現場より, 深度約3mから見つかった化石は腹足類21種, 二枚貝類12種, 植物3種である。貝類群集の生息環境は内湾の潮間帯であるが, 異地性の産状を示す。貝化石は江戸時代末期〜明治時代のものと推定される。 (3) 高松市西内町高松北警察署工事により深度10.8〜9.0m付近のシルト層と深度7.0〜9.0m付近の砂層/シルト層の互層, 深度4m付近のシルト層から化石が産出した。これらから, 多板殻類1種, 腹足類45種, 掘足類1種, 二枚貝類56種, ウニ類2種, 有孔虫, 貝形虫などの化石が見つかった。このうち深度約10.8〜9.0m付近のシルト層の貝類群集の生息環境は, 主に内湾の潮間帯-上浅海帯で, これらが混合群集として産する。また貝化石の補正14C年代は4990±60yBPであり, 縄文時代中期にあたる。 (4) 高松市丸の内町の三越百貨店の深度約6mの砂層から化石が産出した。これから, 腹足類20種, 二枚貝類13種, 有孔虫が確認された。貝類群集の生息環境は主に内湾の潮間帯群集である。貝化石の補正14C年代は4440±70yBPであり, 縄文時代中期にあたる。 (5) 貝化石群集の示す古海域環境をHDM特性曲線, および貝類の水平的分布(地理的分布)の分布型の構成率より考察した。HDM特性曲線の示す緯度はいずれも北緯34°程度になり, また水平的分布の分布型で比較しても, 現在と海況が大きく変わらないことを示す。
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