感染強度の指標としての尿中ビルハルツ住血吸虫卵数の表現法〔英文〕
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概要
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ビルハルツ住血吸虫症では,感染の強度を表す指標として,単位尿量中の排泄虫卵数が一般的に用いられている。しかし,検査毎の虫卵数が異なるのは当然とはいえ,閉じ患者から得られた検体でも,時にその日々の変動の大きさは無視できないことがある。我々は,検査毎の虫卵数が出来るだけ一定で変動の少ない方法を見いだすため,この研究を行った。ケニア人小学生12名から, 5日間午前11時30分と午後12時30分の2回採尿した。するとどちらの採尿時間のものでも,その原量と含まれる虫卵数との聞には相関はなく,むしろ単位原量中の虫卵数は,尿量と逆相関していた。また,先立つ排尿の時間を無視して午前11時30分に採原したものと、その1時間後の午後12時30分に採尿したものの検体中の虫卵数を比較すると,午後12時30分に採尿したものの方が日々の変動が少ないことが明らかになった。以上の結果から,特にコホート研究においては,ビルハルツ住血吸虫症患者の感染の強度を尿中の排地虫卵数で表す場合,単位尿量中の排推虫卵数よりも単位時間当たりの排池数で表現することが望ましいと考えられる。A statistical comparison was carried out among 3 different parameters, i.e., egg count/volume, total egg count/sample and egg count/hour, in regards to day-to-day variations of S. haematobium egg output in midday urination. Among 3 parameters, the egg count/hour showed the most stable value. In addition, the total egg count in a urine sample was not correlated with the sample volume of the urine in the same individuals. We conclude, therefore, that the adoption of the egg count/hour was best as a parameter for a quantitative unit of intensity of infection for cohort studies where the changes of intensity of infection are monitored for a long period. The existing parameter for egg output expressed in terms of the egg count/10ml volume of urine seems to be a less reliable reflection of the intensity of infection.
- 日本熱帯医学会,Japanese Society of Tropical Medicineの論文
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