リーダーシップ類型と看護におけるインフォームドコンセントの普及との関連
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概要
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本研究の目的は,看護の知識におけるイノベーションをインフォームドコンセントとし,その普及の現状とリーダーシップ類型との関連を明らかにすることである.調査期間は,2005年8月30日~9月15日である.対象は,第3者による機能評価を受けている3つの総合病院を選択し研究に参加の承諾が得られた1,148人を対象とした.分析は,看護におけるインフォームドコンセントの普及については,Rogersの「イノベーション決定段階における段階モデル」を用いた.また,リーダーシップについては,三隅のリーダーシップPM論から,「PM指導行動測定尺度」を用いた.そしてインフォームドコンセントの普及の現状とリーダーシップ4類型の群間比較を行った. 結果は,対象者は平均年齢32.7±9.6歳,臨床経験年数は平均10.9±9.3年であった.インフォームドコンセントの普及では実行している者が76.4%であり普及していた. リーダーシップ4類型による比較では,P機能とM機能がともに強いPM型が普及していく知識段階・態度段階・決定段階・実行段階でpm型より有意(p<0.001)に普及を促進する割合が多かった. 以上より,看護ケアにおけるインフォームドコンセントの普及促進には,リーダーシップのP機能(目標達成行動)と,M機能(集団維持行動)をともに強化することが重要であることが示唆された.The purpose of this study takes informed consent to be an innovation in nursing knowledge and seeks to clarify the relationship of its diffusion with present leadership types. The study was conducted between 8-30-2005 and 9-15-2005. We chose 1148 nurses who agreed to participate in this study from three general hospitals approved by a third-party accreditation council. We employed the innovation adoption model of Rogers for the diffusion of informed consent in nursing care, and utilized the PM instructor behavior measurement scale according to Misumis PM theory of leadership analysis. We compared the diffusion of informed consent with four leadership types. Results were as follows. The average age of subjects was 32.9±9.6 years, and clinical experience was 10.9±9.3 years. The diffusion of informed consent was 76.4% and prevalent. Regarding four leadership types, PM leadership type(strong P and M function)did better than pm type in promoting the innovation diffusion by knowledge, attitude, decision and practice. These findings suggest that it is important to strengthen both P function(Aim achievement performance)and M function(Group maintenance attitude)to facilitate the diffusion of informed consent in nursing care.
- 2009-03-20
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