長野県飯田下伊那地域における糞便由来病原体モニタリングの有用性についての検討
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概要
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目的:飯田保健所が実施している糞便由来病原体モニタリングが、「感染症発生動向調査」を補完しているか否かについて検討した。方法:平成7年から平成19年まで、飯田下伊那地方の主な4病院と保健所を定点として糞便由来病原体モニタリングを実施した。モニタリング対象病原体の内、カンピロバクターとサルモネラの2種を検討に用いた。この2種の検出状況と、事業で追加調査として行ったカンピロバクターの年齢別・性別陽性者数及びサルモネラの血清型別検出数を資料として、得られた情報の考察を行った。その結果、「感染症発症動向調査」のみの場合に比べ、予防活動に有用な具体的な情報が、より多く得られたかどうかを確認した。結果:近年、カンピロバクターの検出数は他の病原体の検出数に比較して多く、食中毒対策において重要な位置を占めると考えられた。陽性者の年齢別では、若い年齢層が多く、この年代への介入が効果的であることが考えられた。サルモネラの検出数は減少傾向にあり、血清型S.Enteritidisの動向から鶏卵の規格基準等の制定による効果が推測された。しかし、動物由来感染症による検出数の増加も考えられ、今後、注意する必要があると思われた。結論:飯田保健所が実施してきた糞便由来病原体モニタリングは、「感染症発生動向調査」のみでは得られない感染症や食中毒予防対策に役立つと考えられる詳細な情報が得られ、「感染症発生動向調査」を補完すると考えた。
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