構造用パーティクルボードの耐久性能(第5報)低圧縮比ボードの曲げ性能と耐水性能
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概要
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フェノール樹脂(PF)およびイソシアネート系樹脂(UL)を用いて圧縮比0.8-1.2の低圧縮比ボードを"一段圧縮方式"で製造し,製造条件(圧縮比,含脂率,結合剤の種類)が曲げ性能および耐水性能に及ぼす影響を調べた。耐水性能としては吸水厚さ膨潤と湿潤時曲げ性能を検討し,低圧縮比構造によって耐水性向上が成されるかどうかを検討する基礎データとした。得られた結果を要約すると, 1)常態曲げ試験において,圧縮比0.8では合指率をPF,ULでそれぞれ15%,20%まで高めても水平せん断により破壊し内層部の結合強度不足が認められた。ULボードとPFボードのMORを同一圧縮比,同一含脂率条件で比較すると前者は後者の1.3-1.5倍(含脂率10%),1.0-1.2倍(含脂率15%)となった。 2)吸水厚さ膨潤試験では,圧縮比が小さい程また含脂率が高い程厚さ膨潤率(TS)は小さくなり,浸せき1000時間後のPFボードとULボードのTSを同一含脂率,圧縮比条件で比較するとULボードの方が1-3%低い値を示した。 3)2時間煮沸後のMOR残存率はPFボードで57-59%,ULボードで45%となり,煮沸に強いPF樹脂の特徴が現われた。MOE残存率は吸水初期から30-40%と,MOR残存率に比べて低かった。 4)圧縮比1.0-1.2のULボードにおいて,約10%以下のTSとMOR残存率との間に直線関係が認められた。この直線回帰式の勾配は推定圧縮比1.5-1.8の市販ボードについて求めた同関係式の勾配の1.8倍となった。
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