幻覚および錯覚出現時に脳波異常が認められた側頭葉てんかんの1例
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概要
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28歳女.1年ほど前から自分を非難する男性の声が聞こえ(幻聴),自分の手がおばあさん手のような形(変形視)になり,皺や染みが見える(幻視),と訴えるようになった.又,同時期から口部自動症を伴う複雑部分発作も認めるようになった為,近医脳神経外科を受診し,zonisamide,sodium valproate,phenytoinによる単剤治療が試みられたが効果なく,時に精神運動不穏を伴うようになったため精査目的で紹介入院となった.音楽幻聴が出現した際の脳波所見から幻覚・錯覚状態は単純部分発作と考えられたが,脳MRIでは明らかな形態学的な異常所見は認められなかった.1H-Magnetic Resonance Spectroscopy所見から本症例は右側頭葉内側部を焦点とする側頭葉癲癇の可能性が高いと考え, phenytoinをcarbamazepine 200mg/日に変更し,更に300mg/日に増量により強直間代発作や複雑部分発作,単純部分発作と考えられた幻覚状態も著明に抑制された
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