細い領域における半線型楕円型方程式の解の分岐
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
偏微分方程式の解の構造は,方程式を考える領域に依存する.領域が特異な変形を起こさない場合については線形作用素のスペクトルや定常解などについて長い間多くの研究がされている.それに対し,領域が特異な変形を起こす場合の研究は多いわけではない.その中の一つとして,2次元以上のユークリッド空間内の領域が線分に収束していくような,細い領域に関する研究がある.例えば針金の内部のような細い領域上で偏微分方程式を考えるとすると,その解の構造は区間上のある微分方程式で近似されるのではないかと考えられる.つまり細い領域が線分に収束するような特異な変形に応じて,細い領域上の方程式の構造は,その極限として区間上のある方程式の構造にとある意味で近づいていくと思われる.先行研究として,[3]-[5],[9]においてHaleとRaugelは細い領域における発展方程式のアトラクタが,関連する区間上の極限の方程式のアトラクタにある意味で近づくことを示した.また[10]においてYanagidaは反応拡散方程式について考察し,極限の方程式が漸近安定な定常解を持てば,その近傍に細い領域の方程式の安定な定常解が存在することを示している.またJohnson,Kamenskii,Nistri[6]-[8],Abdelhedi[1]は消散型波動方程式の周期解について考察している.ところで,反応拡散方程式の解の挙動を理解するのに,定常解を考察することは重要である.加えて物理背景からくる反応拡散方程式の多くはパラメータが含まれており,そのパラメータに応じて解の個数や定性的な性質に変化が起きる,つまり分岐が起きることが多い.従って反応拡散方程式の解の挙動を理解するのに定常問題の分岐解析は有用である.そこで本研究においては,反応拡散方程式の定常問題として挙げられる半線型楕円型方程式を,細い領域において,しかも解の分岐という観点で考察する.つまり本研究における問題意識は,2次元ユークリッド空間内の細い領域における半線型楕円型方程式の解の分岐の構造が,区間上の極限の方程式のそれによってどの程度決定されるのかという問題を,特に分岐点に着目しながら考察するというものである.
論文 | ランダム
- 平成20年度「独創性のある生命科学研究」プロジェクト課題 ホルムアルデヒド含有食品摂取によるバイエル板を中心とした粘膜免疫系への影響
- 事業場内の事務室における作業環境管理の実態調査
- ホルムアルデヒド選択性比色分析試薬の創製と簡易計測デバイスの開発及び実用化
- 観葉植物のポトスへの水分ストレスが室内空気中のホルムアルデヒドの吸収・吸着効果に及ぼす影響 (第41回[日本緑化工学会]大会特集)
- 観葉植物のポトスとサンセベリアにおける明・暗条件下でのガス交換と室内空気中のホルムアルデヒド除去 (第41回[日本緑化工学会]大会特集)