レ-ニ・リ-フェンシュタ-ル『低地』
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概要
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『低地』は、近年リーフェンシュタールがとり組んできた、海中世界を扱う作品が完成していない現時点では、彼女が最後に世に送った映画ということになる。その監督は、偶然入手したスペインの写真家の作品集を眺めていたさいに、スペインの風土、人々の服装や生活スタイルといったすべてに魅了され、その世界をどうしても映画にしたいと心に決めたという。また、当時のベルリンでは、オイゲン・ダルペルトのオペラ『低地』が人気演目となっており、リーフェンシュタールは何度かその舞台に接して感銘を受けていたということもあった。テラ映画社からの支援の約束をとりつけた彼女は、34年4月終わりに、当時もっとも信頼できる友人であったヴァルター・リムルとグッツィー・ランチュナーを連れ、ロケハンのためにスペインに向かった。
- 明治大学教養論集刊行会の論文
- 2000-03-31