四方梅彦の事績 (〔文芸研究〕第百号 記念号)
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概要
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四方梅彦は幕末から明治初期にかけて活動した戯作者だが、同時期の戯作者と同様、その経歴や仕事について断片的に語られることはあっても、それほど研究が進んでいるわけではない。先に「四方梅彦雑纂」と題して、その事績の一端を紹介したが、梅彦の事績はなお明かでなく、調査するほど細かな疑問も出てきて、なかなかまとまりがつかない。如何に幕末群小戯作者と言えども、七十数年を生きた一人の人間の事績が少々の調査で明らかになると思うほど安直な考えを持っているわけではないが、それにしても梅彦には当人のものかどうか判断に苦しむような著作が多いのである。そのような混乱も梅彦が文学史上ほとんど意義を認められていない著作家ゆえではあるが、本稿ではこれまでの調査で明らかになった事柄をまとめながら、今後の課題について論を及ぼしたいと思う。
- 明治大学文芸研究会の論文
明治大学文芸研究会 | 論文
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