沖縄におけるサトウキビウイルス病の診断および防除と今後の問題点 (2) わい化病について
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概要
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(1)本報告はサトウキビウイルス病のうち,わい化病について主として沖縄において1967年3月より同年9月にわたり調査研究してえられた結果を記述した.(2)サトウキビわい化病の沖縄における病徴は,節ろう帯部の維管束が変色し,13~17節の茎では2~9節のろう帯部に多くみられ,とくに3~6節に多く認められた.また節ろう帯横断面の維管束の変色は表皮に近い部分に多く存在し,縦断面では葉痕部に近接するか約1mm(平均0.2mm)の距離をおいて直またはコンマ状で下方に長さ0.5~5mm(平均2.5mm)であり,黄色,橙黄色,淡紅色,赤色,赤褐色を呈し,これらの結果を応用して収穫時に宮古島で赤点茎を検出しえた.(3)サトウキビわい化病罹病茎節部の搾汁液中に健全苗を浸漬または健全苗に針接種した結果,収穫時に節ろう帯部維管束の変色(赤点)茎が認められた.またわい化病罹病苗を植え付けた場合,発芽茎の節部に赤点がみられた.(4)沖縄におけるサトウキビの節部赤点発生時期を検索するため,沖縄南部,中部の栽培地で夏植,株出の調査を行なった結果,品種N:Co.310で7~9節時の5月15日赤点茎を検出することができた.なお6月21日久米島,6月27日伊江島,6月19日,7月21日,7月24日那覇市首里,8月16日南大東村での調査では夏植,株出に赤点茎が認められた.(5)沖縄における節ろう帯部の変色は維管束の導管部および篩管部の変色が主で,ピアニーズまたはフロログルシン塩酸法で判定できることが明らかとなった.
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