島嶼地域における特別支援教育の現状と動向 -奄美大島と宮古島における特別支援教育体制の比較-
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概要
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奄美圏域及び宮古圏域における特別支援教育の実態と動向について、これまで行われてきた調査・研究から得られた所見について比較対照しながら、各々の異同について明らかにする。それらを総合的に検討することで、離島における今後のよりよい特別支援教育の在り方について新たな手がかりを探ることを目的とした。奄美圏域、宮古圏域共に島嶼地域であることから、専門医の不在など各種リソースの不足は否めないことも改めて明らかとなった。宮古圏域における福祉・医療・教育等の関係諸機関が連携した相談体制の一本化は、「少ないリソースをいかに有効活用するか」という視点に立って行われたものである。大島養護学校が独自に進める「子どもの発達を支援する相談会」は、「離島の離島」に対する教育相談事業として特筆すべきものであった。大島養護学校と宮古養護学校のセンター校的役割と公立小中学校との連携について、「今後は養護学校に対して何らかの支援を求めていきたい」というような、将来的なニーズの高さが共通して伺えた。また両圏域の小・中学校において、特別支援教育コーディネーターは全ての学校に配置されていたが、校内委員会の実質的な機能充実ということに関してはいずれもこれからの課題であるとされていた。地域特別支援連携協議会あるいは市町村教育委員会で行われている就学指導委員会との連携や、特別支援教育コーディネーターの役割の明確化などが今後の取り組みの糸口となろう。
- 2009-03-31
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