沖縄の国際化とアジア ―サステイナブルな関係の構築に向けて―(2)
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概要
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本稿は、沖縄の国際化をアジアとの関係でとらえ直し、アジア諸国とのサステイナブルな関係の構築をめざす試みである。サステイナブルな関係を構築するには、経済成長至上主義的発想ではない「アジアとの共生」の視点から今後の沖縄の国際化のあり方を考える必要がある。具体的には、たとえば自然との共生という思想をタイから学ぶなど、これまでの沖縄がアプリオリに上位であると考えがちであったアジアとの関係を見直すことである。本稿では沖縄県民を沖縄の国際化の主要なアクターととらえ、県民の国際化への意識、行動を探ることで21世紀に向けての沖縄の国際化の展望を論じたい。そこでは、沖縄県が推進するアジアに重点をおいた国際化の理念と県民一人一人の考える「国際化」の意識が一致または乖離しているかが分析の焦点となる。アンケートに基づいた単純集計結果、および属性とのクロス集計による分析では、国際交流の経験および意識もアジアではなく欧米を向いていること、アジア重視の国際都市形成構想に対する認識の低さ、およびアジアに対する認知度の低さが明らかになった。(以上『人間科学』第5号)沖縄の人々のアジアへの関心の低さがデータにより明らかにされたが、現実には沖縄とアジアの交流は様々なレベルでかなり活発になってきている。また、それを支える歴史的、文化的背景もある。日本本土と異なる独自の交流も行われている。しかし、アジアへの関心を高めることは、一朝一夕には困難である。個人の意識を変えていくにはかなりの努力が必要であり、そのためには、大学の役割が重要となってくる。本稿では、琉球大学、チュラロンコン大学(タイ)、インドネシア大学の3大学による研究プロジェクトからの知見より、沖縄とアジアのサステイナブルな関係を構築するための様々な視点から提示する。(以上、本号)
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