The Landscape in "The Encantadas" and the Problems of Representation
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概要
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文学研究における「表象」の問題はこれまで様々な形で問われてきた。「誰が」「誰を」「何を」そして「どのように」描くのか、またそれは「なぜ」なのか。フェミニズム、ジェンダー、コロニアリズム等、20世紀を代表する諸学派が文学研究で常に問題意識として持っていたのも「表象」をめぐる問題であると言えるし、比較的新しい環境文学研究で見えてくるのも「自然」という「他者」をめぐる表象の問題であり、そこから照射される「自己」の問題である。本論文ではハーマン・メルヴィルの短編小説「エンカンタダス」に焦点を絞る。「エンカンタダス」はメルヴィルの他作品に比べるとあまり注目されないが、メルヴィルの作品の全体像を見るとき、彼がどのように他者を描くのかというプロセスを見るために重要な作品である。メルヴィルの作品に頻出するテーマをいくつか具体的に見ていきながら、メルヴィルがどのように他者を描くのかというプロセスを示してみたい。その際にメルヴィルがジョセフ・ターナーの絵画に影響を受けたこと、その影響が必ずしも風景論やピクチャレスク等の概念的・思想的なものに留まらず、小説技法的にも目に見える形で現れていること、絵画のみならず他の芸術的ジャンルを意図的と思えるようなやり方で混ぜ合わせていること、等を指摘していく。そしてそれらを根拠にメルヴィルが持っていた問題意識の一つが「他者」をめぐる表象の問題であったと主張する。
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