所謂溶血性黄疸(特に脾臟)の病理組織學的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
著者は溶血性黄疸剖檢例2例に就て,病理組織學的檢索を行ひ,何れも脾臟の增殖性變化,骨隨の造血機能亢進,肝臟の星芒細胞腫大等を認め,尚1例に於ては肝硬變像を伴ふを知り得たり。更に剔出脾臟4例を加へ,本黄疸の脾臟の組織學的所見に特有なるものとして,脾髓網状組織の增殖,脾竇の狹小にして空虚なる事,竇内被細胞の腫大,大喰細胞の增加,赤血球喰現象等を得たり。此等の所見を基礎として,皮膚黄疸なき過膽赤素血症14例の脾臟及び肝臟を檢索し,3例に於ては上記の溶血性黄疸の脾臟に特有なる增殖性變化ありて且つ肝臟に星芒細胞腫大,赤血球喰現象等あるを認め,之を溶血性黄疸類似症と名付けたり。他の11例には此等の所見を缺くを以て生理的過膽赤素血症と名付く。即ち廣義の過膽赤素血症(第I型膽赤素のみ)は溶血性黄疸.溶血性黄疸類似症,生理的過膽赤素血症に分類し得。此等の過膽赤素血症の發生に就ては,膽赤素排泄閾の異常現象と解すべきものとす。新字体抄録:著者は溶血性黄疸剖検例2例に就て,病理組織学的検索を行ひ,何れも脾臓の增殖性変化,骨随の造血機能亢進,肝臓の星芒細胞腫大等を認め,尚1例に於ては肝硬変像を伴ふを知り得たり。更に剔出脾臓4例を加へ,本黄疸の脾臓の組織学的所見に特有なるものとして,脾髄網状組織の增殖,脾竇の狭小にして空虚なる事,竇内被細胞の腫大,大喰細胞の增加,赤血球喰現象等を得たり。此等の所見を基礎として,皮膚黄疸なき過胆赤素血症14例の脾臓及び肝臓を検索し,3例に於ては上記の溶血性黄疸の脾臓に特有なる增殖性変化ありて且つ肝臓に星芒細胞腫大,赤血球喰現象等あるを認め,之を溶血性黄疸類似症と名付けたり。他の11例には此等の所見を欠くを以て生理的過胆赤素血症と名付く。即ち広義の過胆赤素血症(第I型胆赤素のみ)は溶血性黄疸.溶血性黄疸類似症,生理的過胆赤素血症に分類し得。此等の過胆赤素血症の発生に就ては,胆赤素排泄閾の異常現象と解すべきものとす。
- 1943-12-28
論文 | ランダム
- 「全日紀尾井町フォーラム」研修プログラム(後期)東京・大阪で開催
- 『全日紀尾井町フォーラム』研修プログラム(前期)東京・大阪で開催
- 聖コルンバヌスの『贖罪規定』について
- カトリックの国民化をめぐる一考察--第一次艦隊法とイエズス会法に対する中央党の動向から
- 16世紀後半におけるタウングー朝とケントゥンの交渉について