竹材の研究-10-
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概要
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低含水率の竹材Phyllostachys Pubescens MAGELと数種の木材について湿気の通り易さを種々な角度から比較検討した。Fig.. 1の装置による透湿試験では板材を定常的に貫流する湿気量が水蒸気密度勾配に比例すると見做して定義される拡散係数Kcを求め(Table 2),吸湿と乾燥の試験ではそれに比例すべき比拡散係数λを含水率変化速度とその材の密度から導いたが(Table 3,5),いずれの場合も傾向は殆ど同様で(Table 4,Fig. 3)竹材中の湿気移動速度は繊維,半径両方向ともヒノキ,ブナ等の1/2~1/3にすぎない事が明かになつた。その原因は主として基本組織である柔細胞の解剖学的特性にあり繊維方向の拡散にはその細胞長が,直角方向の拡散にはその紋孔閉鎖がそれぞれ最も強い抑制因子として仂きKcを小さくする事がほゞ断定された。猶,竹稈外層部のKcが内層部より更に小さくなるのは維管束繊維の多い為も考えられる。Moisture diffusions through bamboo (Phyllostachys pubescens MAGEL) and some species of wood of relatively low moisture content under the ordinary temperature were studied. The diffusivity in these materials was expressed by the constant Kc (cm2/sec) calculated from following equation.〓In which, Q is the moisture steady flow through a section of the above materials measured by the apparatus in Fig. 1 (g/sec), F is the cross-sectional area (cm2), H1 and H2 are vapor contents in the air of humid and dry sides of a section (g/cm3) and d is the thickness of a section (cm).
- 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林,The Tokyo University Forestsの論文
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林,The Tokyo University Forests | 論文
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