大阪府富田林市佐備川における礫の移動--単元「流れる水のはたらき」の学習に有用なオリジナルデーター
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概要
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小学校理科第5学年の単元「流れる水のはたらき」の授業に有用な河川礫の移動に関する野外データを公表した。降雨によって河川が増水すると、流れる水のはたらきによって川床の礫が動く。川原や礫州にある礫にペンキで番号や記号を書いてマーキングする方法(マーキング法)は、河川の礫が動くことを子どもたちに実感させるための有効な実習方法である。しかしながら、付近に河川がない場合や河川はあってもそれが砂や泥からなる場合、マーキング法を使った礫の野外実習はできない。そのような場合、ここに公表した礫の移動に関する野外データが役立つ。データは大阪府富田林市を流れる佐備川において、礫州の礫の移動のようすを1年間継続調査して得られたものである。データには、礫の移動が分かるスケッチ、礫の粒径および雨量データが含まれる。これらのデータから礫の移動のようすが視覚的に理解できるとともに、移動する礫の大きさが降雨量に関係していることが理解できる。We published original data on gravel movements in a river, which help the fifth degree children of elementary school understand sedimentation and transportation of sediments by stream water. Gravels are moved in rivers by stream water at high water stages as a result of high precipitation. Paint-marking on the gravels in fluvial bars is an effective method to detect gravel movements and thus the method should be adopted in the field exercise program. The method, however, cannot be utilized in the cases that there are no rivers near a school and rivers are composed of finegrained sedimenta such as sands and mud. In such cases, our data are useful. The data were obtained from one-year research in the Sabi River, Tondabayashi, Osaka. The data include twenty sketches of marked gravels, grain sizes of the gravels and precipitation data of the researched site. With these data, the gravel movements are easily recoognized and the relationship between maximum grain size of gravel movement and amount of precipitation is clearly understood.
- 大阪教育大学の論文
- 2007-02-00
著者
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廣木 義久
茨城大学教育学部地学研究室
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廣木 義久
大阪教育大学教育学部
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広木 義久
東大理
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Hiroki Yoshihisa
Geological Institute Faculty Of Science The University Of Tokyo
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坂本 綾
大阪教育大学教育学部
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吉川 剛
大阪教育大学教育学部
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廣木 義久
静岡大学教育学部地学教室
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