韓国金属産業における労使関係 : 企業別組合から産業別組合へ転換
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概要
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韓国の労働組合は、1987年の盧泰愚大統領による「民主化宣言」以降における「大闘争」などを経て労働組合の民主化が進んだ。このなかで、企業別労働組合から産業別組合への転換は、理論的にも深められ、実践的にも追求されてきた。特に1997年にナショナルセンター「民主労総」が結成されてからはその動きが加速された。この動きを最も先進的に推し進めたのが、金属産業の労働組合である「金属連盟」であった。同連盟は、2001年2月に産業別組合の「金属労組」を結成した。しかし、「金属労組」への加盟組合は、当初は中小企業の組合が中心であり、多くの大企業労組は、これに加盟しなかった。財政的に恵まれ、ストの妥結権をはじめ既得権を持つ大企業労組では、「金属労組」加盟に必要な組合員の3分の2の賛成を売ることが困難だったからである。とはいえ、大企業労組も通貨危機に伴う韓国経済の危機とIMF管理下におかれた中で、大量解雇とアメリカの多国籍企業を中心とした外国資本による韓国有力企業の買収に対する闘いを経験し、産業別組合の大義を否定することができなかった。そして、2006年6月に金属連盟で最も影響力を持つ現代自動車の労働組合が産業別転換に成功し、他の多くの大企業労組も相次いで産業別労組に転換し、圧倒的多数の組合が産業別組合に転換した。この間、2003年以降、経営者団体が次第に形成されて産別中央交渉の開始され、協約も締結された。「金属労組」は名実ともに産業別組合となったのである。とはいえ、「金属労組」は今後、組織や財政の整備、地域も含めた産業別交渉の機能の強化といった課題をクリアしていくことが不可欠となっている。
- 2006-11-25
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