現代教育計画論への3つの視点
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概要
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2006年未の教育基本法改定後は,「教育振興基本計画」が日本の教育の在り方を大きく規定することになるであろう。その意味について検討するためには,「硯代教育計画論」の発展が不可欠である。しかし,教育学の諸領域の中で,教育計画論はもっとも立ち後れている領域のひとつである。現実的には,教育計画の根拠となるはずの「教育の公共性」そのものが危うい状態になっているというのが今日的動向である。そこで本稿では,現代教育計画論への第1次的接近として,「教育の公共性」をめぐる動向を押さえた上で,現代教育計画論にアプローチする3つの基本的視点からの考察を行い,その発展のための課題を明らかにすることにした。第1に,歴史的視点である。近現代の教育は,どの時代のものであれ,なんらかの「教育計画」をもって展開してきた。したがって,「現代」教育計画は,近代以降の各歴史段階における教育計画の流れの中で位置づけられ,また,「現代」の内部における小歴史段階の区分をもふまえられて,教育基本法改定直後という現時点における教育計画の理論的・実践的課題が明らかにされなければならない。そうした視点から,これまでの主要な教育計画論の整理しながら,今後の研究課題を検討した。第2に,政治経済的視点である。硯代教育計画は,政治的国家・市民社会・経済構造の総体の中に位置づけられ,とくに官僚化・国家機関化傾向と商品化・資本化傾向に対置されるものとしてはじめてリアリティをもつ。こうした視点から現代社会計画論,とくにマンハイムの「自由のための民主的計画」を原点として,それを受け継ごうとするウイッティや,強く批判するハイエクの理論を発展させようとする黒崎勲などの諸理論の批判的検討から,現代教育計画の政治経済的分析の方向を提起した。第3に,教育実践的視点である。教育計画は「教育実践の未来に向けた総括」であり,教育の計画化はそれ自体,固有の教育実践過程と考えることができる。このような教育実践論的視点から,現在求められている「計画の論理」を考察した上で「教育計画」の固有の論理を求めて,地域の現実において展開されている,とくに「地域づくりと結びついた学校改革」の実践分析を通した地域教育計画論を構築する必要性を指摘した。現代教育計画論は,以上の3つの基本的視点の相互豊穣的な具体化によって発展していくことになるであろう。
- 2007-03-30
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