システム社会における生きづらさの構造
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概要
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「生きづらさ」に関わって以下の3つの論点を検討する。①機能的な差異が生じたときに、善意に基づく配慮が「逸脱」を刻印するのは何故か、②現代の日常生活における「正常」を規定する論理は何か、③「生きづらさ」を克服しうる社会関係が備える特質は何か。現代における商品化の進展は、商品・資本が主体となって自己展開する社会システムを成立させ、個人はその下で分断され、引き裂かれている。その分断・分裂に耐えることが「正常」とされ、機能的な差異を有する者への「配慮」は、自らの分裂性を隠蔽しつつなされるため、配慮する者とされる者の間にはモノローグ的関係が生ずる。両者が共に生きづらさを対象化するには、協同性の発展を内実とする社会関係資本の形成が必要であり、そのような関係の下でのみ自己内対話は対話的なものとなり、新たな主体の形成が可能となる。
- 2007-03-30
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