古武術における位置エネルギーを利用した前進動作の効果
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概要
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本研究は、健常な女子大学生15名を対象として、直立姿勢から「抜き動作」と「蹴り動作」の2条件による一歩踏み出す前進動作を行わせ、両動作の差異を筋電図および床反力を手がかりとして比較・検討した。本研究の「蹴り動作」を基準とした「抜き動作」の結果は以下の通りである。1)筋放電量は、主動筋である大腿直筋に0.1%水準の有意な増大、腓腹筋には0.1%水準の有意な減少が認められた。2)鉛直分力は、ピーク値が5%水準の有意な増大、力積には0.1%水準の有意な減少が認められた。抜重に伴う鉛直分力の最小値は、被験者体重の71%であった。3)水平分力は、ピーク値が1%水準の有意な増大、力積と平均水平分力には0.1%水準の有意な増大が認められた。4)キック角度は、0.1%水準の有意な減少が認められた。5)前進速度は0.1%水準の有意な増大が認められた。6)動作時間は、前傾動作時間が1%水準、全動作時間には0.1%水準の有意な短縮が認められた。「蹴り動作」を基準とした「抜き動作」の相対値は、腓腹筋放電量が56%の減少、前傾動作時間が22%の短縮、鉛直成分の力積が11%の減少、動作時間が11%の短縮、キック角度が1%の減少、鉛直分力のピーク値が7%の増大、水平成分の力積が12%の増大、水平分力のピーク値が15%の増大、大腿直筋放電量が49%の増大であり、これらの結果は、「抜き動作」が「蹴り動作」に比較して末梢筋活動の軽減・床反力の増大・動作時間の短縮といった多くの利点を有する効率的な動作であることを示唆するものである。
- 2006-03-31
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