台湾における思春期糖尿病患者のセルフケアと親子関係についての研究
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概要
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本研究は思春期1型糖尿病患者と親を対象にし,セルフケアの現状と親子関係について調べ,そして,両者と血糖コントロールの関係を明らかにすることを目的とした。台湾の南部にある大学病院外来に通っている20人の1型糖尿病患者(男性6名,女性14名)と13人の親(母親8名,父親5名)に面接を行い,次の結果が得られた。(1)セルフケアの現状:インスリンの注射量を明確に把握している患者は15人で,常に血糖測定しているのは2人のみであり,栄養指導による摂取カロリーを明確にわかっているのは9人で,4人は発病した当時のみ栄養指導を受けていた。何らかの形で運動していたのは16人であった。(2)育児態度に関して民主的だと主張した親は10人(76.9%)で,子は4人(21.1%)であった。学校の成績に満足している親は9人(69.2%)で,子は7人(36.8%)であった。問題があった際,親に助けを求めると回答した親は9人(50.0%)で,子は9人(39.1%)であった。コミュニケーションのスタイルは家庭によって様々であったが,お互いのコミュニケーションに対する満足度に関して,親は7人(53.8%),子は10人(52.6%)が肯定的な回答であった。以上のデータをHbA1c値と合わせて検討した結果,良い血糖コントロールの者には親が子にとって民主的な育児態度を持ち,学校成績に満足し,救助の相手になってもらえ,婚姻状況が良く,互いにコミュニケーションのスタイルに合意でき,さらにインスリン注射と運動を確実に行っているという傾向がみられた。The purposes of this study were to explore the self-care of Type 1 Diabetic adolescents in Taiwan; perceived relationship by Type 1 Diabetic adolescents and their parents. Metabolic control was also analyzed by self-care and relationship. Twenty adolescents (14 girls and 6 boys) and thirteen parents were recruited for participation in this study. Only two adolescents always monitored blood sugar. Fifteen adolescents could control their insulin dosage; nine could control their calorie intake. Sixteen of them exercised. We found that involved parental attitude, satisfaction with adolescent's school performance, positive familial interaction, satisfaction with communication and administration of insulin and exercise were all factors regulating good metabolic control.
- 2002-12-30
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