口腔多発癌症例の臨床的観察
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概要
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口腔多発癌は比較的まれな症例であり予後も悪いとされている。今回の観察は口腔に発生する多発癌の特徴をあきらかにすることを目的としている。1997年から2002年の間に千葉大学附属病院において口腔扁平上皮癌と診断された151症例中に13症例(8.6%)の多発癌症例を経験した。これら多発癌症例と単発癌症例との間で臨床的特徴(性別,年齢,TNM分類)に有意な差異は認めなかったが,多発癌症例群は単発癌症例群と比較してやや進行癌である傾向を示した。多発癌症例における第1癌と第2癌との発生間隔は平均3年7か月であった。多発癌の第1癌が最も多く認められた部位は歯肉であり,一方単発癌は舌,歯肉が好発部位であった。病理組織型では高分化型癌が多く,多発癌症例で61.5%,単発癌症例で78.3%を占めた。5年累積生存率は多発癌症例73.8%,単発癌症例87.0%であった。これらの結果は,臨床的特徴から進行度が低いと考えられたとしても多発癌は治療が困難である可能性を示唆している。今回の観察においては放射線治療を受けたことのある多発癌症例はなく,また喫煙や飲酒といった習慣と多発癌との間に統計的に有意な関連は認められなかった。
- 2008-06-01
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