東南アジア・中部太平洋海域と港湾におけるVibrio parahaemolyticusの分布〔英文〕
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概要
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長崎大学水産学部練習船長崎丸に便乗して東南アジアと中部太平洋において,また台湾基隆,韓国浦項(比較のために長崎港も)を特定の調査港として,海水,プランクトン,海泥,魚類合せて約1,500検体を得, Vibrio parahaemolyticusの検出を試み,同菌308株を分離,うち290株を27種のK型,同時に10種のO群に分類することができた.この成績を本菌のO群別や病原性試験などに関する関係文献と比較考察し,これらの資料の範囲で,本菌による食中毒は何故に日本に特有かの点につき著者らの見解を述べた.本菌の外国港湾や魚体からの検出はわが国のそれに比してやや低率のようである.そして人体検出菌に多いといわれる0-4群に属するものが一般に少く,また溶血能を示すものはほとんど検出されなかったが,これはわが国の自然界分離菌で同様である.結局,少数ながら海水中に存在する本菌の人体感染の潜在力を有するものが,魚に附着して揚陸,流通過程,保存,調理の段階で大いに増殖し,感染源としての能力を備えるに至ると考える.このほか人から人への二次感染も当然考慮されるべきであるが,これらの疫学的諸因子の根底に日本人が魚介類の生食を好むということがあるのはいうまでもない.From about 1,500 samples (sea water, plankton, marine mud, and fish) collected on occasions of deep-sea fishery and in several specified ports in Southeast Asia and Central Pacific, 308 strains of Vibrio parahaemolyticus were isolated and among them 259 s
- 長崎大学風土病研究所の論文
- 1967-01-00
長崎大学風土病研究所 | 論文
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