バンクロフト糸状虫症の伝搬に関わるトウゴウヤブカの役割に関する実験的研究-3-砂糖水で養った場合のトウゴウヤブカ成虫の生存期間
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概要
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1)吾が国に於いてトウゴウヤブカ(Aedes togoi)が成虫として越年し得るか否かを実験的に吟味するために野外で採集した幼虫を25℃で飼育し,蛹化した蛹を27℃で羽化させて,♀,♂成虫を夫々9,12,15,18,21,24,27,及び30℃の各種恒温度に接触させて飼育し,夫々の恒温度下に於ける生存期間を調べた.本実験は1962年11月から1963年3月迄の間に行なった.2)各種恒温度下に於ける成虫の生存状況は次の通りである.成虫は15℃以下では殆んど飛び廻らず飼育籠内に静止している場合が多く,18~21℃では可成り活溌となり,24℃以上になると刺激に対して極めて敏感になる.生存率曲線の下降状況は9,27,及び30℃では極めて急で,12~24℃では緩慢である.18~24℃の曲線は12℃及び15℃のそれに比して初めの数週間の下降が極めて緩慢であり,特に18℃ではその後も緩慢である.♂の生存率は♀のそれと大体に於いて平行的であるが,12℃及び9℃では著しく短命となる.♀,♂の平均生存日数は18℃で最高を示し,これより高,低両温度域に於いて次第に短縮して行く.以上の事から生存期間に関する限りでは,18℃が最も好適温度であって,21,24,15,及び12℃がその順序で之に次ぎ,9℃以下及び27℃以上は極めて不適温度であると云い得る。3)吾が国西南部のフィラリア侵淫地域では本種♀成虫の吸血活動は秋遅く迄見られ,而も春早くから始まる.この間,もし本種の♀成虫が越年し得るならば,フィラリアの感染を春先に持ち越す恐れがあるが,♀成虫の生存期間は12℃で最長87日,平均37日であり,9℃では最長48日,平均19日であるので,長崎,富江,及び鹿児島での1月から3月迄の間の低温に耐え得るとは考えられない.冬期の気温が可成り高い八丈島に於いてさえ大部分は越年し得ないのではないかと考えられる.従って,吾が国では本種は八丈島だけでは多少問題は残るとしても,その他の地域では冬期悉く死滅してフィラリアの感染を春先に持ち越す恐れはないものと考えてよさそうである.As a mean of learning the possibility of overwintering of adult mosquitoes of Aedes togoi under the climatic conditions of southern Japan, the longevity of adults was investigated rearing them with 2% sugar solution at constant temperatures of 12, 15, 18,
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