台湾における赤痢菌の菌型分布と薬剤耐性〔英文〕
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概要
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台湾では赤痢は日本のように爆発的に流行することはなく,特に近年は軽症化して公衆衛生上あまり重要視されていない.亜熱帯にあるが故に当然高率の発生があるはずであるが,住民が生水を飲まず,一般に加熱食を摂る風習があることがその主因と思う.赤痢菌の分離と型別は主として北部で行われ,この約10年間に王貴誉・劉如心,王三聘ら,揚照雄ら,及び著者の報告が代表的なものとして挙げられる.A群は1949-50年に数株報告された以降なく,C群は皆無,D群(Sh. sonnei)も現在なお低率で,主としてB群で,そのうち2a,3a,1aが普偏菌型と認められている.現在は赤痢菌に属していないがAlkalescens-Dispar群による小児の腸炎が数例あった.著者が特に深く研究したのは本菌の薬剤耐性である.殆どがサルファ高低抗であることは勿論として,現在の分離菌株の70-90%ぐらいまではSM, TCかCPに耐性を示し,しかも単剤や二剤のものが少く,大部はいわゆる三剤耐性菌である.これに反しカナマイシンとネオマイシンに対しては5或は10mcg/ccのMIC,コリスティンに対しては大部分10units/ccの価が示され,感受性充分と認められた.フラゾリドンに対しては完全に感受性を示していた.
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