食品のクッキングにおける吸水, 溶出速度式の設定に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
クッキング速度式を設定する場合に、溶出損失を考慮したい場合がある。本報では、このような場合に有用となる吸水、溶出速度式の設定に関する研究を行った。前報2)のスパゲティとひやむぎのクッキング実験結果(温度70~99.5℃)に適用した結果、吸水物からの溶出は、原料からの溶出に比較して無視できることがわかり、次に示す結果を得た。dw_AR /dθ = k₁^* (w_e-w_o)/w_o² )w_A²- k₃^* w_Adw_STD /dθ= k₃ ^* (w_d /w_o)/w_Aただし、 w_A = w_o (w_e - w_AR - (w_e /w_R )W_STD ) /(w_e - w_o )スパゲッティ: w_o = 1.0g 基準、 w_e = 10.3g、 w_d= 0.856gk₁ ^* = 1.86 x 10³ exp (-8.84 x 10³ /R_g T) (min⁻¹ )k₃ ^* = 6.07 x 10⁻¹ exp (-4.05 x 10³ /R_g T) (min⁻¹ )ただし、99.5℃では、 k₃ ^* の値は3.0倍ひやむぎ: w_o = 1.0g 基準、 w₄ = 8.09g、 w_d = 0.778gk₁ ^* = 6.29 x 10⁴ exp (-1.03 x 10⁴ /R_g T) (min⁻¹ )k₃ ^* = 1.81exp (-3.63 x 10³ /R_g T) (min⁻¹ )ただし、99.5℃では、 k₃ ^* の値は2.1倍ここで、w_AR and w_STD: 吸水物重量および溶出物絶乾重量[g]、θ: クッキング時間[min]、T: クッキング温度[°K]、R_g: 気体定数[cal/g-mol.゜K]である。本論文では、吸水、溶出現象を簡単にモデル化、数式化する検討をし、めん類のクッキングを例として示したが、本研究成果は、溶出が問題となってくる他のクッキングの場合に対しても有柳こなるものと考えられる。In previous papers 1, 2), we have studied the coking-rate equations considering only the soaking phenomenon of rice and noodles and so on. In this paper, we studied the soaking and dissolution-rate equations on the cooking of foods. The rate equations of spaghetti and hiyamugi (cooking temperature 70~99.5℃) have been postulated as follow.dw_AR /dθ = k₁^* (w_e-w_o)/w_o² )w_A²- k₃^* w_Adw_STD /dθ= k₃ ^* (w_d /w_o)/w_Awhere, w_A = w_o (w_e - w_AR - (w_e /w_R )W_STD ) /(w_e - w_o )For spaghetti: w_o = 1.0g basis, w_e = 10.3g, w_d= 0.856gk₁ ^* = 1.86 x 10³ exp (-8.84 x 10³ /R_g T) (min⁻¹ )k₃ ^* = 6.07 x 10⁻¹ exp (-4.05 x 10³ /R_g T) (min⁻¹ )(At boiling temperature, k₃ ^* was 3.0 times this value)For hiyamugi : w_o = 1.0g basis, w₄ = 8.09 w_d = 0.778gk₁ ^* = 6.29 x 10⁴ exp (-1.03 x 10⁴ /R_g T) (min⁻¹ )k₃ ^* = 1.81exp (-3.63 x 10³ /R_g T) (min⁻¹ )(At boiling temperature, k₃ * was 2.1 times this value)where, w_AR and w_STD (g) : weights of soaked material and drying state of dissoluted material, θ(min): cooking time, T(℃): cooking temperature, and R_g (cal/g-mol.゜K): gas constant.
著者
関連論文
- 3Da01 カボチャ培養細胞から分泌されるアスコルビン酸酸化酵素と主要タンパク質について
- カボチャ培養細胞からのアスコルビン酸酸化酵素の生産と分泌(植物-細胞培養-)
- 米デンプンのマイクロ波加熱糊化と、その速度論的考察(食品-食品工学-)
- 曲げ荷重により切断した凍結魚肉の切断面角度の予測
- 凍結魚肉の引っ張り破壊挙動の筋線維配向角度依存性に関する研究
- 曲げ荷重により切断した凍結魚肉の切断面角度に及ぼす筋線維配向角度の影響
- 食品工学と品質変換速度論 (特集 食品工学の機能化)
- 誘電特性を利用した食品の相転移の検出 : 食品
- 誘電特性を利用した澱粉含有食品の糊化機構の解析 : 食品
- 食品化学工学の現状と将来 (食品加工技術の話題)
- 食品の品質変換と物性評価 (食品化学工学と新技術)
- 食品工業へのマイクロ波加熱の利用と展望
- ジャガイモのクッキング進行中におけるクッキング速度に関する研究
- 簡便な方法を用いた非等温プロセスにおける速度パラメ-タの設定
- ジャガイモのクッキングにおける温度変化とクッキング速度に関する研究
- 食品の品質変換と化学工学 (新しい化学工学の展望)
- マイクロ波加熱乾燥装置の試作とジャガイモ乾燥に関する研究
- マイクロ波加熱におけるエネルギー吸収効率の測定に関する研究
- 小さな試料断片を用いたジャガイモの熱拡散率の算出に関する研究
- マイクロ波加熱における加熱効率の測定 (新分野を拓く測定技術)
- 食品工学と食品工業発展の展望
- 食品プロセス工学入門(最終回)
- 食品プロセス工学入門 第37回
- 食品プロセス工学入門 第36回
- 食品プロセス工学入門(第35回)
- 食品プロセス工学入門〔第34回〕
- 食品化学工学 (最近の化学工学研究--レビュ-を中心に)
- 食品のクッキングにおける吸水, 溶出速度式の設定に関する研究
- 食品のクッキング機構の推察について
- 食品の調理と速度論的考察
- 調理への工学的アプローチ : 主としてクッキングの動力学について
- 簡便なテクスチャ-測定用装置の製作と,大豆のクッキングにおける各種物性値測定に関する研究〔英文〕
- Increases in the Activity and Protein Amont of Ascorbate Oxidase during the Germination of Pumpkin Seeds(Biological Chemistry)
- Formation of Ascorbate Oxidase in Cultured Pumpkin Cells
- Inactivation of Lipoxygenase and Trypsin Inhibitor in Soybeans on Microwave Irradiation
- ゲル状食品のレオロジ-的特性測定 (最近の測定技術)
- 固体状食品のレオロジ-特性測定のための簡便な測定装置試作と利用
- 食品調理機械開発のための化学工学的技術
- 液状食品の流動物性
- 食品乾燥装置設計のための食品化学工学的一考察
- 食品調理機械開発のための化学工学的技術
- 管形粘度計による懸濁沈降性液状食品の流動特性の測定
- ジャガイモの乾燥収縮式と速度式の設定に関する考察