地区特性から見た高齢者の主観的幸福感に関連する要因の分析 <研究ノート>
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概要
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高齢者のネットワークの構造によって主観的幸福感がどのような影響を受けるか,地域における高齢者の社会関係について基礎的な知見を深めることを目的として,広島県廿日市市に居住する高齢者から無作為に1,000名を抽出してアンケート調査を実施し, 588名から回答を得た。「農村・田園地帯」「山間部」「商業・繁華街」「一般住宅地」「住宅団地」「工業地域」「その他」の中から回答者が答えた自身の居住地区を,研究の背景および事前調査の結果を踏まえ,「農村・山間」「一般住宅」「団地」の3つに区分し,主観的幸福感の違いを分析した。その結果,3地区問に有意な差があり,「団地」が,それ以外の地区と比較して有意に主観的幸福感が高いこと等が示された。また,主観的幸福感以外の測定項目では,居住年数,住まい,学歴,仕事,最長職,別居子数,親戚交流回数,地域貢献活動,地域つながり感,外出頻度において3地区間に有意な差が認められた。しかし,地区の違いと高齢者の主観的幸福感の関連要因を明確に説明するた釧こは,高齢者と関わりのある地域組織との関係を考慮に入れるなどさらなる分析が必要である。主観的幸福感に関連する要因は相互に影響を及ぼしていることは明らかであり,今後は何通りかの仮説モデルを設定し,地区の違いによる多母集団の共分散構造分析を探索的に行う必要性があろう。
- 2006-03-22
論文 | ランダム
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