社会福祉法人における予算管理システムに関する考察 <研究ノート>
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概要
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介護保険制度の導入後,社会福祉法人をとりまく社会的環境は大きく変化した。しかし,その内部管理および法人運営の実態は未成熟といわざるを得ず,外部の環境変化に適応しきれていないのが現状である。社会福祉法人が自らその社会的使命を認識し実践していくには,まず,社会福祉法人にけるマネジメントのあり方を議論していかねばならない。企業の目的が利潤拡大にあるという認識は,もはや説得力を持たない。現代の企業は,生産性,収益性,革新性のみならず,環境問題への積極的な取組みといった社会性も評価の対象とされている。社会福祉法人も例外ではない。現在のところ,社会福祉法人が商法や税法に則って事業利益を報告する法的義務はない。しかし,一定の利潤を得なければ,その存続を継続することは不可能となった。このような状況の中,社会福祉法人は公益事業の達成と収益性の維持という二つの目標を両立させていかねばならない。ここにおいて,社会福祉法人のトップ・マネジメント(理事会)には,会計システムと予算管理の遂行に注力し精通することが要請されるようになった。社会福祉法人は,介護サービスを提供する事業体であると同時に経営組織体でもある。経営組織体である以上常に経営効率性を追求していかなければならない。本稿は,社会福祉法人におけるマネジメントのあり方を議論する中で,マネジメントシステムとして有効な予算管理に焦点を当てている。予算管理を効率的に機能させることが社会福祉法人を取り巻く状況変化に迅速に対応し,経営改善の実現につながっていくと考えるからである。
- 2006-03-22
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