英語授業設計における学習者の意見を取り入れることの可能性--教師の意見の質的分析
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概要
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本論文は、日本の大学英語教師が授業内容や方法に関して、可能な範囲内で学生に選択の機会を与える方法について議論するものである。Breen and Littlejohn(2000)による"negotiated syllabus"(学習者との交渉によるシラバス)、Nunan(1988)による"learner-centeredcurriculum"(学習者中心のカリキュラム)の主張をもとに、小グループの大学英語母語教師への"semi-structured interview"(半ば予め組み立てられた面接)のデータを利用することによって、学習者に選択を与えることの可能性を分析し、さらにその利点と欠点を考察した。データの分析に際しては、制限の緩やかな(broad)選択と制限の強い(controlled)選択に区分した。分析・考察の結果、手続き上の交渉(procedural negotiation)を伴うかどうかに関係なく、学生による選択は様々な効果的な方法で与えられ得ることが分かった。教師にとっては、授業の計画や評価において、また過程を重視する課題を用いることを通して、学生に選択させることが可能な場合がある。さらに、この手法は学生が先生と一体感を持ち、教師が授業に活気を与えるために教室でおこなう手段の一つとして使用される。結論として「選択」を与えることの利点をさらに言及することは可能である。しかしながら、そのためには綿密な計画が必要であり、そして学生が体系的に選択することができるような授業へと徐々に導いていくことが必要である。
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