断層生成による応力場の変化 : 特に端での応力増加に関連して
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概要
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断層の生成によって生じる断層末端部周辺での応力増加の緩和に関連して,二次元有限要素法による数値計算を行った.断層の生成による変形は,有限要素ネットの外側境界で与えた強制変位によって,断層を囲む細長い領域(震源域と呼ぶ)にずり変形(体積変化なし)を生じさせることによってシミュレイトした.そのために震源域におけるP波,S波速度は周囲のそれより小さく,また特別の関係を満たすように与えた.震源域端での大きな応力増加を緩和する変形として,震源域における変位分布の勾配が非常に滑らかになるような変形,主震源域の一端にそれに直交して副震源域が存在するような複合震源による変形,の2つを取り上げて応力分布を求めた.その結果,両変形とも端での応力増加を抑制するのに有効であり得ることがわかった.その他,種々の不均質媒質のもとでの数値実験の結果,応力分布の増減への媒質の不均質性の影響は一般的に小さく,とくに応力増加の緩和のためには,それは重要な要素ではなさそうであることがわかった.
- 東京大学地震研究所,Earthquake Research Institute, University of Tokyo,地震研究所の論文
- 1987-02-10
東京大学地震研究所,Earthquake Research Institute, University of Tokyo,地震研究所 | 論文
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