造成地盤における地震波の挙動
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概要
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造成地盤は地震に弱いとされている.そこで,東京都多摩ニュ一タウンに実験地をえらび,造成地盤内での地震波の挙動を解明すべく調査を実施した.まず,造成地に3本のボーリングを実施して,PS検層を行ない,地盤の物性を把握した.その結果,造成地盤では地山に対して,同程度かやや遅い程度のS波速度が得られた.Q値については,盛土がやや小さい値を示す様に思われる.地盤調査結果にもとづき,地盤をモデル化し,二次元有限要素法を用いて数値解析を行なったところ,造成地盤内では,水平方向に伝わる二次的な波が発生し,地山に比べて振動継続時間が長くなるという知見が得られ,これは同地点で行なつている地表観測結果と調和的であることが解った.また有限要素解をインパルス応答とみなし,合積により,造成地盤上での波形を合成し観測記録と比較した結果,かなりな程度の一致を見た.
- 東京大学地震研究所,Earthquake Research Institute, University of Tokyo,地震研究所,消防庁消防研究所,東京都の論文
- 1985-11-08