30. 三浦半島,房総半島及び浦賀水道における光波測量
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概要
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地震研究所光波移動班ば1964年来南関東地域において,光波測距儀による基線測距を繰り返してきた.観測には三浦・鋸山両短距離基線網(3~5km)及び浦賀水道・鋸山両中距離基線網(10~15km)が用いられた.この地域は産業活動が活発なため,人為的原因による標石の亡失・改埋が多く地殻変動の詳細な議論は行えなかった.しかし,観測開始以来1983年までの約20年間の有効なデータをとりまとめ,全体を概観しておおよそ次のような点が明らかになった.(1)中距離基線網においては,いずれの基線も縮みを示す.代表的な基線を用いて求めた歪の主軸は北々西に6×10^<-7>/yrの最大短縮を示し,国土地理院の求めた約50年間の結果と調和的である.(2)短距離基線網の結果は,より複雑な様相を示し,中距離基線網の結果とは必ずしも一致しない.誤差要因が中距離基線に比べ大きく作用しているので結果の解釈は難しいが,局所的地殻変動が結果にあらわれているとも考えられる.Geodimeter surveys using AGA 4, 6, 8 and 700 and K & E Rangemaster III have been conducted by the Earthquake Research Institute, University of Tokyo, in the south Kanto area since 1964. The area under consideration includes two short distance (3-5km) base line networks (Miura and Boso) and two intermediate distance (10-15km) base line networks (Uraga and Boso). Several times surveys have been made until 1983 with various intervals of one to six years. Analysis of data from the twenty years'work has yielded the following results. (1) Base lines of intermediate distances show general contractions. The maximum principal strain rate in the selected three base lines is NNW contraction at a rate of about 6×10^<-7>/yr. This is consistent with the GSI's data from 1925 to 1971. (2) Base lines of short distances show a rather complicated pattern which is not always consistent with the results obtained from the longer base lines. Land movement in a very local scale is suspected as a possible cause of these inconsistencies.
- 東京大学地震研究所,Earthquake Research Institute, University of Tokyo,東京大学地震研究所の論文
- 1984-01-14
著者
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