23. Experiments on the Overturnings of Circular Columns by the aid of a Shaking-Table
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概要
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水平面上に垂直に立てられた柱状物體の底面にある一定の加速渡αが與えられた時,その物體が滑らずに轉動し始める條件α≧d/h gに基づいて,昔から大地震の際の各地の地震動の強さが墓石等の轉倒の觀察から近似的に推定されているが,果してこの式が,どの程度に實際の地震動による墓石等の轉倒に對してあてはまるかと云う點には,かなりの疑問がある.一方,若しもこの樣な柱状物體の轉倒現象が,統計的にもせよ,相當の{遠xで地震動の強さの目安を與えうるものであるならば,同一の太さをもつた種々の長さの圓桂が,簡單な加速度計の役目を果たすことになる.そこで,このことを調べる目的で,手始めとして,太さ5mmの,いろいろの長さの圓柱を鋼鐵で作り,それをアルミニユーム製の臺に垂直に立てて,之等を振動臺でゆらせて何遍も繰返し轉倒させ,その時々の振動臺の最大加速度に對する轉倒回數の頻度分布を調べて見た.その結果,底面に加えられた振動による柱状物體の轉倒と云う一つの物理現象には,實に種々の微視的な要素迄もが大きな影響を及ぼしていることが分つたが,その中で特に注目すべき點は,1.轉倒の頻度分布の山は,單にd/g hだけではきまらず,他にa)圓柱の太さと外部からの振動の振巾との比も關係すること.b)加速度の時間的な變化の割合が關係すること.2.頻度分布曲線の確率誤差は數ガル程度であること.等である.勿論,以上の結果は,外部からの振動が單純な正弦波的の水平振動の場合であり,加速度のあげ方も,振動臺の機能上から,振巾は殆んど變化せずに振動数のみの極めて緩かな培加によつたと事う點を考慮せねばならず,從つて之等の結果をそのまま實際の地震動の際の圓住の轉倒現象にまで適用させることは出來ないが,一つの物理現象の究明にはなつたと思われる.今後は,之等の圓桂を多數加速度計と同一場所に設置し,實際の地震動をうけた場合の轉倒につき,加速度計による地震動の強さと比較しつゝ統計的に調べてゆき度いと考えている.
- 東京大学地震研究所,Earthquake Research Institute, University of Tokyo,Earthquake Research Instituteの論文
- 1951-03-25
東京大学地震研究所,Earthquake Research Institute, University of Tokyo,Earthquake Research Institute | 論文
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