Experiments on the Visco-elastic Properties of Pitch-like Materials. (1)
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概要
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地球上に於て觀察する地球物理學關係の現象の中,地殻變動に關する問題及び地震波傅播に關する問題の解決は地殻物質の性質の論議が根本問題となる.從つてこの地殻物質の性質に關する研究が古くから行はれてゐる.地殻物質は長い間作用する力に對しては粘性ある液體のやうな性質を示すのみならず,短い間比較的急激に作用する力に對しては剛性ある固體のやうな性質を示す事は一般に認められてゐる.近時日本に行はれた水準測量の結果から各地に慢性運動が行はれてゐる事や,嘗ては平坦に海底に沈澱した物質が摺曲する事等は前者の事實を裏書きするものであり,地震波傳播等の現象は後者の事實を裏書きするものである.かくの如く地殻物質には,力の作用時間の長短によつて全く異つた二つの性質がある.筆者はこの種の問題を,手近にて容易に得られるピッチ,パラフィン,砂岩,水ガラス等を用ひて實驗する事によつて確めやうと思ひ,静力的及動力的の二方法によつて物體の捻れによる變化状態を實驗してみたのである.以上擧げた物質に關する研究も古くから澤山あるが,何れもその粘性か弾性かの何れかの性質についてのみしか論ぜられてゐない.筆者はこの二性質を同時に考慮して研究したのである.先づ第1報として静力的に求め得られた主な結果を擧げて見れば次の如くである.
- 東京帝国大学地震研究所,Earthquake Research Institute, Tokyo Imperial University,地震研究所の論文
- 1935-03-30
東京帝国大学地震研究所,Earthquake Research Institute, Tokyo Imperial University,地震研究所 | 論文
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