15. Geological Investigations on the Zao Volcanoes V Kumano Volcano
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概要
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熊野火山は,北蔵王の南半を占めている.この火山は,熊野岳,刈田岳,地蔵山,三宝荒神山,飯塚山,中丸山,松倉山,帆出山,冷水山などを含み,熊野岳(1840.8m.)が,その最高峰である.これ等を構成する火山噴出物は,横倉山熔岩および提出物,地獄沢熔岩および拠出物,御沢熔岩および集塊岩,難波沢熔岩および拠出物,地蔵山熔岩,刈田岳熔岩,熊野岳熔岩および拠出物,五色岳拠出物などにより代表され,花崗禄岩,新第三系,斜長石石英粗面岩,粗面岩質安山岩,プロピライト,安山岩および玄武岩からなる基盤岩の侵蝕面を被覆する.熔岩および拠出物中の岩片は,大部分が橄攬石複輝石安山岩または合橄攬石炭輝石安山岩で,時に複輝石安山岩を雑えている.かかる熔岩および描出物の噴出は,隣接する屏風火山および竜山火山の熔岩および拠出物の噴出と相呼応して行なわれたものであり,火山活動は,この場合,歴史時代におよんでいる点が蔵王火山群の他の火山と趣を異にする.ここでは,火山活動が,第四紀の初期に,横倉山熔岩および拠出物あるいは地獄沢熔岩および拠出物の噴出で始まり,五色岳拠出物の噴出で終つている.五色岳拠出物以外は,旧火口から供給されているが,地蔵山熔岩以前の噴出物は,硫気作用を受けている点に特徴を有する.熊野岳熔岩および拠出物の噴出後には,大爆発をやり,今日熊野岳,馬ノ背,刈田岳,灰塚山などにより囲まれている馬ノ背爆裂火口を生じた.そのために,旧噴火口は破談され,爆裂火口内に,中央火口丘を出現させた.これが五色岳である,五色岳にも現在の御釜の南東方に噴火口があつて,この中央火口丘を生じたように考えられる.御釜の生成は,その後の爆発のためで,有史以後の火山活動は,ほとんど全てここで行なわれたものである.記録による有史以後の活動は,884年から知られ,最近は,1939年に起つている.
- 1960-07-10
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