<原著>無発語自閉症児における前言語的コミュニケーション行動の出現を促す環境条件の分析
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概要
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研究1では、自閉症児1名を対象として、前言語的コミュニケーション行動の出現を促す環境設定を分析した。自然な文脈において対象児の指さし行動をアセスメントし、その結果を基に、物品を要求する場面と、大人に対して自分が見ている刺激に注意を向けることを求める叙述場面を設定した。その結果、物品を要求する場面では時間遅延法を適用することによって、日常場面では出現していなかった行動が出現するようになった。研究2では、「指さし」行動、「大人の顔を見る」行動、および「発声」が協応反応として成立する条件を分析した。その結果、時間遅延法と名前を呼ぶという操作によって協応反応が成立した。これらの結果から、自閉症児の前言語的コミュニケーション行動の指導においては、自然な場面での観察のみでなく、環境内の刺激を系統的に操作したアセスメントを行う必要があると考えられた。
著者
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