『奄美大島と大西郷』は、奄美出身の昇曙夢によって書かれ、昭和2年(1927)に春陽堂より出版されたものである。この著作では、西郷隆盛が安政6年(1859)、奄美大島に謫居になった状況を追いつつ、その時の西郷を観察者として設定することによって、彼の目を通した、当時の奄美の置かれた状況や民俗風土を描くことに主眼が置かれている。・・・