『田舎荘子(1)』は、佚斎樗山、本名丹羽忠明の著である。佚斎樗山は、万治二年[一六五九]に生れ、寛保元年[一七四一]八十三歳で没しており、下総関宿藩の上級藩士であった(2)。関宿藩主久世氏は、幕府の水運の要である利根川の頚を握る関宿城主にして、五万石の譜代大名であった。樗山は ...