冠動脈疾患患者の交感神経活動に及ぼす喫煙の影響
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概要
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原著論文ヒトにおいて喫煙と交感神経の関係におよぼす動脈圧受容器機能の影響を明らかにする為,中・高年冠動脈疾患患者14名と若年健常者10名を対象に喫煙による血行動態,交感神経活動の変化を検討した.疾患群の動脈圧受容器機能は,健常群に比較して有意に低下していた.両群とも喫煙により血漿ニコチン濃度は有意に上昇した.健常群においては,これ迄の報告と同様に喫煙後に動脈圧,心拍数,FVRは有意に上昇し,FBF,MSNAは有意に低下した.疾患群においては,喫煙後に動脈圧,心拍数,FVRは有意に上昇し,FBFは有意に低下したが,健常群とは異なり,MSNAは喫煙後に有意に増加した.BRSと喫煙によるBR,BIの変化率との間には,有意な負の相関関係がみられた.以上より喫煙による中枢からの交感神経活動の流出は,直接の交感神経刺激作用と血圧上昇による動脈圧受容器を介した交感神経抑制作用により規定され,動脈圧受容器機能が正常な若年健常者ではMSNAの抑制が,一方,動脈圧受容器機能に障害のある冠動脈疾患患者ではMSNAの亢進が起こることが示唆された
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