韓国企業経営に関する定量的分析の試み
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概要
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植竹晃久教授退任記念号近年,韓国経済と日本経済の間の距離はますます縮まる傾向にあるが,比較経営という視点から韓国企業について実証的に分析した研究は数少ない。そこで本論文では,今日の韓国企業の特徴とその経営行動について考える第一歩として,アンケート調査結果と財務データを組み合わせ,統計的な分析を試みた。韓国証券取引所およびコスダックに上場する131の企業について,定性要因の定量分析法QAQF による分析を行った。全企業,経営者属性別,上場規模別にD 値分析を行ったところ,日本企業と同様に創業者社長のいる企業の業績がよく,また上場企業では新製品開発目標が重要であった。さらに保守的であり垂直的なコミュニケーションが活発とはいえない権威主義的なリーダーシップスタイルが業績に貢献し,創業者が引っ張るコスダック企業では人間志向的な価値観がその長期の維持発展につながっていた。本論で分析することができた企業は,韓国証券取引所およびコスダックに上場する企業のうちの約1割に過ぎず,また韓国企業の経営スタイルにはさまざまな種類があり,本来であればこれらを別々に分析してゆく必要があろう。しかし韓国企業についてのこうした定量的な分析は緒に就いたばかりであり,これからもこうした調査,分析,研究を重ねてより確証の高い理論を導いてゆきたい。
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