"資源の生産力"としてのレント概念 - 競争優位とその持続の論理再考 -
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概要
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植竹晃久教授退任記念号本稿の目的は,企業固有資源(FIRs)が持続的競争優位(SCA)とどのように結びついているか,すなわち資源ベース論(RBV)の論理を考察することである。RBV は“レントを生む企業固有資源が持続的競争優位を導く”という論理で,同じ産業ポジショニングにある複数企業間の業績差異を説明するパースペクティブである。この見方に対しては,しかしながら,トートロジカルな議論の問題点があり,これはRBV の解明すべき最重要課題の一つである。本稿は,RBV の論理を構成する中心概念である“レント”に焦点をあてて,この概念をリカードやマーシャルに立ち返って再吟味し,「資源の生産力としてのレント」という新しいレント理解を導出する。この資源価値は,資源の本源的な生産力から生じる“リカード・レント”と,資源への人為的な価値付加行為から生ずる“準レント”からなり,これは商品価値を供給面から構成する一要因になっている。この供給面の資源価値は,需要要因と結びつくことにより,企業収益や競争優位を導く。その競争優位を持続させるには,資源の企業固有性と動態的な学習過程が必要になる。そのうち資源の企業固有性をもたらす源泉レントについても明らかにしていく。本稿の全体にわたり,レントは“資源の生産力”としての新しい概念を付与すべきであること,およびその概念を再展開することにより,従来のRBV をやや発展させた意味で資源とレントそして持続的競争優位が論理的に結びつくこと,の2点を主張する。
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