情報劣位の投資家が被る損失について : モーゲージ債券における分析と考察
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概要
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赤川元章教授退任記念号流動化債権の市場では,投資家が利用できる情報と発行体側が保有する情報に大きな差があることが少なくない。モーゲージ債券の場合は,住宅ローンの期限前償還に関して,投資家向けの情報にしばしば制約が課せられる。その場合,債券発行後,逐次開示されていく期限前償還率の情報しか利用できないため,投資家は,この限られた情報を利用し,真の価格に徐々に到達することになる。本稿では,情報劣位の市場参加者が直面する状況を想定し,さまざまなシミュレーションを行う。モーゲージ債券の適切なヘッジポジションの算出を誤り,意図せざる損益が発生したり,売買取引時の価格推定が適切に行えず損失が発生したりすることを明らかにする。特筆すべき点は,情報が非対称であることにより投資家が被るリスクという,情報が完全であることを前提としたこれまでのモデルでは明示的に表されていなかったリスクを,具体的に示したことである。
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