ドイツの金融システム変貌とリスク管理
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概要
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赤川元章教授退任記念号ドイツでは,他の先進諸国同様に,近年金融システムの変貌が生じた。ユニバーサルバンク,とりわけ大銀行は,商業銀行業務から投資銀行業務へと重点を移動し,また株式市場も顕著な発展を遂げた。このことは,いくつかの計数で追うことができる。しかしながら,商業銀行業務が意義を低めたとはいっても,商業銀行の本質的な機能,すなわち,貸出によって預金通貨を生み出し,マネーを供給するという信用創造機能は,依然としてその重要性を減ずることはないと考えられた。この点,ユニバーサルバンクが証券引受やディーリング等の証券業務を行ったケースに即して検討した。投資銀行業務の意義増大として捉えられる変貌は,銀行に即して重要なポイントを押えようとすれば,銀行資産のリスク性増大として理解できた。銀行システムはグローバルな競争圧力の下で,よりリスクの強い業務分野・対象へと進出することを余儀なくされる。そしてこのことは,投資銀行業務のみならず,従来の貸出の領域にもわたることであった。当然,ここからは,よりリスクの強まった資産を改めて管理する手立てが登場する。中央銀行ブンデスバンクの注目したクレディット・デフォルト・スワップがそれであった。小論では,最後に,これに関するブンデスバンクの調査・分析を追った。このようなリスク管理手法がどの程度効果をもつのか,今後も注視してゆく必要があろう。
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