看護学実習における生命倫理の学びと学習指針の方向性
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概要
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生命倫理の学習は、学内の講義だけで知識を習得するだけでは不十分である。看護学生は臨床で患者、家族、医療職者と出会い、生命倫理の諸問題を直接的または間接的に経験し、その対応について悩み、考える必要がある。また、その過程を通して学生は自身の生命倫理に対する考え、倫理の意識に気づき、生命倫理について再構築していくことになる。今回、実習を終了した132名の学生を対象とした量的研究と同学年の8名のインタビューという質的研究を合わせて実施した。その結果、生命倫理は看護学実習の経験を踏まえて学ぶことができ、個別性に応じた看護ケアの実践が重要であった。具体的な学びの内容としては「自己決定」が最も多く、「意思の尊重」は困難な学びであった。学生が自身の倫理観及びその意識を評価しているかが生命倫理に対する姿勢を左右する。そのため、実習での経験を生命倫理の側面から意図的に振り返りを行なうという指導は必要である。
- 日本生命倫理学会の論文
- 2012-09-19
著者
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