医師・看護師養成プロセスにおけるメンタルヘルス調査 : 自殺予防プログラムの構築を目的として
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概要
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本研究は,医学部生から社会人1年目の研修医,看護師を対象に,メンタルヘルス調査を実施して実態を把握し,自殺の危険の高い抑うつ状態の人に早期介入することにより,医師・看護師養成プロセスにおける自殺予防プログラムを構築することを目的とした.医学科1年,3年,5年生,看護学科1年,3年生を対象に,4月にSelf-rating Depression Scale(SDS)を,研修医,新人看護師を対象に,4月にSDS,The General Health Questionnaire(GHQ)30を,6月,1年後に,さらに職業性ストレス簡易調査票,勤務時間などを追加調査して,SDS 50点以上の抑うつ状態の疑われる人を対象に面接をした.その結果,医師は,学生の間は少ないが,研修開始後3ヵ月で,仕事の質的負担が高く約20%に抑うつ状態が疑われ,看護師は,3年生で約20%に,就職3ヵ月で,仕事の質的,身体的負担が高く約30%に抑うつ状態が疑われて,1年後もその状態が続いていた.本研究より,適切な時期にメンタルヘルス調査をして介入することによって,自殺予防につなげることができると考えた.
- 2014-05-01