高齢男性の回復期脳卒中片麻痺患者における非麻痺側筋肉量の変化からみた排尿援助のあり方についての検証 : 排尿援助方法と非麻痺側筋肉量の変化との関係から
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,高齢男性の回復期脳卒中片麻痺患者において,排尿援助方法によって非麻痺側筋肉量の変化に違いがでるのかを明らかにすることである. 65歳以上の回復期脳卒中片麻痺患者14人を対象に,入院2週目と3か月目に排尿援助の調査および非麻痺側筋肉量の測定をした.その結果,尿意のある患者は,全員が車いすで移動し,トイレでの排尿を行っていた.一方で,尿意があいまいもしくはない患者は,全員が排尿に伴う移動はなく,オムツもしくは膀胱留置カテーテルでの排尿を行っていた.トイレで排尿を行っていた患者(筋肉量4.30±1.02kg,増加量0.04±0.61kg)は,そうでない患者(筋肉量3.69±0.58kg,増加量-0.14±0.86kg)に比べ,有意に非麻痺側下肢筋肉量が大きく(p=0.014),入院中の非麻痺側下肢筋肉量の増加量も大きい傾向(p=0.094)があった.介助を受けながらであっても,立位保持が促される排尿援助を受けることにより,非麻痺側下肢筋肉量の維持・向上につながる可能性が示唆された.
- 2014-03-20
著者
-
伊部 亜希
大阪大学大学院 医学系研究科 保健学専攻
-
片山 恵
神戸大学大学院保健学研究科
-
鈴木 みゆき
兵庫医療大学
-
阿曽 洋子
武庫川女子大学看護学部・看護学研究科設置準備室
-
徳重 あつ子
摂南大学看護学部看護学科
関連論文
- 男性高齢者に対する足浴の転倒予防効果の検討
- 70歳代の在宅高齢者に対する男女別にみた足浴の転倒予防効果の検討
- 皮膚血液循環評価装置の開発とその臨床応用
- 在宅女性高齢者に対する「転倒予防ケア」としての足浴の有効性の検討
- ベッドの高さの違いからみた移動援助時の患者の頚部筋負担及び看護師の作業効率への影響
- 脳波計測に基づく仰臥位から坐位への姿勢変化がもたらす脳活性についての研究
- 皮膚組織血液循環評価装置の開発 (第29回バイオメカニズム学術講演会 SOBIM2008 予稿集) -- (生体機能計測)
- 体圧分散マットレスの安楽性と安全性の評価--寝心地と端坐位保持中の身体安定性
- 体圧分散マットレスの違いによる起き上がり動作時の生体負担の評価 (第26回バイオメカニズム学術講演会(SOBIM2005 in Tochigi)予稿集) -- (睡眠とベッド)
- 看護に関する実験研究での対象者をめぐる問題 (焦点 看護実践につながる実験研究)
- エアマットレスの褥瘡予防効果の検討--エアマットレスと4種類のマットレスの体圧・寝心地比較から
- ベッドの高さの違いからみた移動援助時の患者の頚部筋負担及び看護師の作業効率への影響
- 移動援助時におけるベッドの高さの違いが患者におよぼす影響について--頚部後屈角度・心拍数の観点から
- 交流セッション 組織力を高めるための看護技術とは--末梢静脈注射ケアへの取り組みから (日本看護技術学会第9回学術集会報告)
- 男性高齢者に対する足浴の転倒予防効果の検討
- 脳波からみた介護老人福祉施設入居者における仰臥位から坐位への姿勢変化がもたらす脳活動
- 男性高齢者に対する足浴の転倒予防効果の検討
- 移動援助動作時の腰部負担評価を目的としたアセスメントツール(TAMAツール)の開発 : 上方移動版における妥当性と信頼性の検証
- 転倒予防教室における足浴の運動能力向上効果の検討
- 脳波からみた介護老人福祉施設入居者における仰臥位から坐位への姿勢変化がもたらす脳活動
- 皮膚モデルの逆問題解析による皮膚血液流量推定方法の開発
- 在宅女性高齢者に対する「転倒予防ケア」としての足浴の有効性の検討
- 移動援助時におけるベッドの高さの違いが患者におよぼす影響について : 頚部後屈角度・心拍数の観点から
- ケアハウス入居高齢者に対する足浴が歩行に与える影響の検討 : 転倒予防の観点から
- 回復期脳卒中片麻痺患者の非麻痺側筋肉量と基本的ADLとの関連
- 腹臥位への体位変換が便秘症の糖尿病患者にもたらす排便促通効果
- 高齢男性の回復期脳卒中片麻痺患者における非麻痺側筋肉量の変化からみた排尿援助のあり方についての検証 : 排尿援助方法と非麻痺側筋肉量の変化との関係から