インソール式足圧力モニター装置を用いた歩行の定量的評価 : 慢性期脳卒中片麻痺患者に対する臨床応用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
転倒は,在宅における脳卒中片麻痺者の生活のあらゆる場面でみられるが,その原因の一つとしてつま先離れ(toe clearance)の問題がある.しかし,転倒の原因は一様ではない.今回我々が開発した靴中敷(インソール)式足圧力モニター装置は,測定場所を選ばず手軽に足圧力分布や足圧力曲線を測定・記録できる.この装置を用いて,20名の慢性期片麻痺者を対象に,屋内平地歩行時の足圧力分布と足圧力曲線を測定した.さらに1症例に対して,屋外平地,砂利道,階段昇段や坂道下り歩行時に同様の測定を行った.屋内平地歩行時は,非麻痺側踵部の荷重比が有意に高く,また,麻痺側立脚期割合と10mの歩行時間の間に負の相関(r=-0.73,P<0.01)が認められた.屋外歩行では,状況に合わせて非麻痺側の足圧力曲線が変化しており,麻痺側においては遊脚期移行時のつま先の床離れが遅延していた.今回の結果から,屋内平地歩行や屋外歩行時の非麻痺側依存性とtoe clearanceの問題が確認された.
- 産業医科大学学会の論文
- 2014-03-01
著者
-
橋元 隆
九州栄養福祉大学
-
木村 美子
九州栄養福祉大学リハビリテーション学部理学療法学科
-
竹本 良美
リーフ株式会社
-
内藤 裕太郎
九州栄養福祉大学大学院健康科学研究科
-
森 政男
リーフ株式会社
-
木村 美子
九州栄養福祉大学リハビリテーション学部
関連論文
- 福岡県理学療法士会専門領域研究部会の現状と課題(教育・管理)
- 補装具(義肢・装具, 車いす等)を考える(生活環境支援系分科会, 第40回日本理学療法学術大会(大阪)(テーマ: 臨床的感性からの創造))
- 補装具(義肢・装具, 車いす等)を考える : 司会者の立場から(分科会 : 生活環境支援系)
- 時代が理学療法士に求めるものは何か!(総括シンポジウム,第43回日本理学療法学術大会)
- 理学療法のTotal Quality Management : 時代が理学療法士に求めるものは何か(大会長基調講演,第43回日本理学療法学術大会)
- WCPT学会に思う
- 草創期の理学療法から現代への提言(座談会)
- 北九州市における地域リハビリテーションの歩み : 九州リハビリテーション大学校が果たした歴史的役割
- 脳血管障害患者における嚥下障害の有無による最大咳流速の差
- インソール式足圧力モニター装置を用いた歩行の定量的評価 : 慢性期脳卒中片麻痺患者に対する臨床応用