仮想化環境における文字列オブジェクトの重複回避
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概要
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1つの物理マシン上で,OSやJava VMといったゲスト環境が複数動作する構成においては,プログラムのメモリ使用量を削減し物理メモリを効率的に使用することが,サーバの利用効率向上のために重要である.文字列データは,多くのソフトウェアで最もメモリを消費するものの1つであり,プログラム実行の際に重複する文字列データが大量に生成されることがよくある.さらに,ほぼ同一のソフトウェア群が動作する環境では,各ゲストVM内に同じ文字列データが生成されるため,ゲストVM間で重複する文字列データがメモリを無駄に消費してしまう.そこで本論文では,物理マシンのメモリ使用効率を上げるために,Javaヒープ・メモリ中の文字列オブジェクトの重複を削減し,さらに,各ゲストVM間をまたぐ文字列オブジェクトの重複も削減する手法String Deduplicationを提案する.ヒープ・メモリ内における重複文字列を削減するために,文字列オブジェクト生成に至るcalling contextを利用して,生成される文字列のほとんどが重複文字列であるようなパスを抽出し,それを用いて効率よく重複文字列の生成を回避する.また,ゲストVM間の重複を削減するために,事前に文字列データをひとつのDLLにまとめて各ゲストVMに配布し,各Java VMがこのDLLをロードし文字列を共有することで重複する文字列を生成しないようにする.本手法をIBM J9 Java VMに実装し,IBM WebSphere Application ServerとApache DayTraderベンチマークを使って効果を測定したところ,性能を劣化させることなくメモリ消費量を削減することができた.
- 2014-06-10
著者
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河内谷 清久仁
日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所
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緒方 一則
日本IBM株式会社東京基礎研究所
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河内谷 清久仁
日本IBM(株)東京基礎研究所
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河内谷 清久仁
日本IBM東京基礎研究所
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堀江 倫大
日本IBM東京基礎研究所
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小野寺 民也
日本IBM東京基礎研究所
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緒方 一則
日本IBM東京基礎研究所
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