ディップコーティング法により作製されたバクテリオロドプシン薄膜の配向評価 : SHGにおけるキラリティーと絶対的配向(薄膜(Si,化合物,有機,フレキシブル)機能デバイス・バイオテクノロジー・材料・評価技術及び一般)

概要

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バクテリオロドプシン(bR)は高度好塩菌の紫膜中に存在し、プロトン化シッフ塩基のレチナール色素をその内部に共有結合により配位したタンパク質である。bRは光駆動プロトンポンプ機能を有しており、bR薄膜を用いて構成される光センサーデバイスは光照射の"ON"或いは"OFF"の下で、時間微分型の光応答電流を発することが知られている。そのようなデバイスの性能評価を行う、あるいは光応答電流の起源を明らかにするうえで、bR薄膜中のbRの配向を明らかにすることは重要である。本研究では光第2次高調波発生(SHG)干渉法を用いて、比較的簡便なディップコーティング法により作製されたbR薄膜が、マクロな対称性としてC_∞のキラルな対称性を持ち、bR薄膜中のbRが配向していることを示す。キラル活性な2つの膜のSHG干渉を利用したキラルSHGにおいて幾つかの特有な現象が観測された。更に、bR薄膜中のbRの極性配向の方向性(絶対的配向)を明らかにするための実験を行い、bRは細胞質側を空気側、細胞外側を基板側に向けて配向する傾向があることが明らかになった。
一般社団法人電子情報通信学会の論文
2013-04-18